こんにちは、今回は、メールプロトコルやメールセキュリティ技術について勉強していきたいと思います。
ここでのキーワードは6つです!
- SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
- IMAP(Internet Message Access Protocol)
- POP3(Post Office Protocol version 3)
- SPF(Sender Policy Framework)
- DKIM(DomainKeys Identified Mail)
- DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)
1. メール送受信プロトコル
STMP(Simple Mail Transfer Protocol)
メールの送信に使用されるプロトコルです。
メールクライアント(送信者)→メールサーバー(送信者側)のメール送信と、メールサーバー(送信者側)→メールサーバ(受信者側)のメール転送に使用されます。
SMTPの特徴をいくつか挙げます:
- 一般的に、メールサーバーで動作し、メールサーバーからメールを受信することはできません。
- ポート番号25で動作します。
IMAP(Internet Message Access Protocol)
メールの受信に使用されるプロトコルです、メールサーバ(受信者側)→メールクライアント(受信者)へのメール配信に使用されます。
IMAPの特徴をいくつか挙げます:
- メールサーバがメールクライアントにサーバー上にメールを保存し、受信者のコンピュータにはメールのコピーが保存されます。
- 複数の端末からアクセスできるため、複数の端末で同期された状態でメールを管理できます。
- メールの管理は、オンラインメールボックスのように、一般的にサーバー側で行われます。
- ポート番号143で動作します。
POP3(Post Office Protocol version 3)
メールの受信に使用されるプロトコルで、メールサーバ(受信者側)→メールクライアント(受信者)へのメール配信に使用されます。
POP3の特徴をいくつか挙げます:
- メールをサーバーからダウンロードして、受信者のコンピュータに保存する。
- メールをダウンロードすると、メールはサーバー上から削除されます。
- メールの管理は、一般的にクライアント側で行われます。
- ポート番号110で動作します。
2. 送信ドメイン認証技術
SPF(Sender Policy Framework)
メール送信者側でSPFレコードと呼ばれる情報をDNSに追加し、送信者のドメイン認証を行うための技術です。
SPFレコードでは、そのドメイン(メールサーバ)からメールを送信できるサーバのIPアドレスを指定します。
SPFの流れは以下の通りです:
- 管理者(送信側)はDNSサーバにSPFレコードを登録しておく
- 送信者がメールを送信すると、まず送信者側のメールサーバに送られる
- メールサーバ(送信者側)はメールサーバ(受信者側)にメールを送信する
- メールサーバ(受信者側)はメールの送信ドメインを確認し、DNSサーバ(送信者側)にメールサーバ(送信者側)のSPFレコードを問い合わせる
- DNSサーバ(送信者側)はメールサーバ(送信者側)のSPFレコードを返す
- メールサーバ(受信者側)は4で得たSPFレコードからIPアドレスを検証する
- 問題がなければ、メールサーバ(受信者側)は受信者にメールを配信する
DKIM(DomainKeys Identified Mail)
メールの送信者がメッセージにデジタル署名をつけることで、送信者のドメイン認証やメール完全性を確認するための技術です。
受信サーバは送信者側のDNSに登録された送信ドメイン(送信サーバ)の公開鍵を使って検証します。
DKIMの流れは以下の通りです:
- メールサーバはDNSサーバに自身の公開鍵を登録しておく
- 送信者がメールを送信すると、まず送信者側のメールサーバに送られる
- メールサーバ(送信者側)はメールにデジタル署名を付与、これにはメールサーバ(送信者側)の秘密鍵を使用する
- メールサーバ(送信者側)はメールサーバ(受信者側)にメールを送信する
- メールサーバ(受信者側)はメールの送信ドメインを確認し、DNSサーバ(送信者側)にメールサーバ(送信者側)の公開鍵を問い合わせる
- DNSサーバ(送信者側)はメールサーバ(送信者側)の公開鍵を返す
- メールサーバ(受信者側)は5で得た公開鍵でデジタル署名を検証する
- 問題がなければ、メールサーバ(受信者側)は受信者にメールを配信する
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)
送信者側でDMARCポリシーを設定し、SPFやDKIMの結果からその後の対応を提供する技術です。
DMARCポリシーとはメールがSPFとDKIMのいずれか(または両方)に合格しなかった場合にどのように対処するかを指定します。(例えば、そのメールを廃棄する、スパムフォルダに移動するなど)
その検証結果をどこに送るかなども指定できます。
DMARCの流れは以下の通りです:
- 管理者(送信側)はDNSサーバにDMARCポリシーを登録しておく
- 送信者がメールを送信すると、まず送信者側のメールサーバに送られる
- メールサーバ(送信者側)はメールサーバ(受信者側)にメールを送信する
- メールサーバ(受信者側)はメールの送信ドメインを確認し、DNSサーバ(送信者側)にメールサーバ(送信者側)のDMARCポリシーを問い合わせる
- DNSサーバ(送信者側)はメールサーバ(送信者側)のDMARCポリシーを返す
- メールサーバ(受信者側)はSPFやDKIMのチェックに失敗した場合、4で得たDMARCポリシーに従いアクションを実行する
- 問題がなければ、メールサーバ(受信者側)は受信者にメールを配信する
まとめ
いかがでしたか?メールプロトコルやメールセキュリティ技術に関連する用語についてまとめてみました。
SMTP、IMAP、POP3といった基本的なメールプロトコルから、メールセキュリティを高めるためのSPF、DKIM、DMARCといった技術まで、一連の流れを理解することが重要です。
SMTPはメールの送信を、IMAPとPOP3はメールの受信を担当しますが、それぞれの特性を理解することで、最適なメール管理を行うことが可能になります。
また、SPF、DKIM、DMARCは、メールセキュリティを確保するための重要な技術です。これらを適切に設定・適用することで、フィッシング攻撃などから保護しつつ、正当なメールが確実に届くようにすることができます。
メールは我々の日常生活やビジネスにおいて欠かせないツールです。その運用・管理に必要な基本的な知識を身につけ、より安全なメール環境を整えていきましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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